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昭和慕情 前編

昭和慕情。ここで青桃幼き日々の昭和を偲んでショートショート私小説をひとつ。
青桃は年端も行かぬ頃とある下町で暮らしていた。青桃の実家は薬屋。三軒隣にはタバコ屋兼化粧品店が。その店のご店主のおっちゃんと言うのが昭和ひとけた。戦時下のいわゆる欠食児童で背はちんちくりん。戦後のどさくさで金も無く学も無く、物心ついた時分には口を過ごすためにやくざな稼業に手を染めたことも。小指は健在だったが。堅気(かたぎ)になってからというもの、一つ年上の女房と二人三脚でおっちゃんはタバコを女房は化粧品をそれぞれ手分けし、店を切り盛りしてきた。夫婦には子はおらず幼い青桃はせぇざいかわいがってもらった。兎角がたいにはそぐわぬ骨っ節の強いおちゃんで、ご近所でも一目置かれた存在だった。若かりし頃の母なんぞは、酔っ払いや押し売りなど“招かねざる客”に薬屋に居座られた折りには、おっちゃんに助けを求めに走ったものだった。おっちゃんは押っ取り刀で素っ飛んできて、どすの利いた睨みですぐさま厄介者を追っ払ってくれた。
そんなおっちゃんだったが、五十代で女房に癌で先立たれ、しばらくやもめ暮らしをすることとなった。意気消沈するおっちゃんの店にある日新しく化粧品専門販売員がやってきた。おっちゃんより一回りほど年若く、化粧品を扱うだけあって化粧映えするきれいな女(ひと)だった。おっちゃんもまだまだ男だった。そのひとが来て以来みるみる元気を取り戻していった。いつしかそのひとはおっちゃんの店舗兼住宅に居着き、ふたりは同棲を始めた。ご近所連中もそのひとを奥さんと呼ぶようになっていった。実際には内縁関係であったのだが。その奥さんは訳ありで、実は子宮の病気のため子が産めない体だった。
ある時奥さんは青桃をショッピングに連れ出したいと母にお願い事にきた。青桃は人見知りせず扱いやすいというわけで連れ歩くにはもってこいの相棒だった。母は二つ返事で奥さんのお願いを受けて、かくして青桃は大人のママゴトごっこに付き合わされる羽目になった。後編へ続く…

1000ピースプロジェクト 千林昭和博覧会《昭和にタイムスリップ!力道山からバブルまで》、
日時:11月14日(土)11時~16時、
場所:千林ふれあい館、
※入場無料、

割り箸鉄砲&マーブリングワークショップ(参加費100円)も開催。
割り箸ゴム鉄砲とマーブリングポストカード製作します。
1回目11:30~ 2回目13:30~ 3回目15:00~、

詳しくは、千林昭和博覧会HP迄 http://1000ppj.jp/talksalon/senpaku