お久しぶりにお目見えします。青桃です。作家デビューして早数ヶ月、巷のホンの狭い仲間内では、私が作家であるという認知がようやくなされるようになってきたようで…それにしても、皆様好き勝手に呼んでくださることで、白桃やら黄桃やら、ネクタリンと呼ばれた日にゃ~返事してやらなかった。
それにしても、残暑が厳しすぎる今日この頃、只今青桃は、新作の執筆にかかっております。以前にも申しましたとおり、短編を5作書き上げようと七転八倒しております。そのうちの一作品で「マッチ売りの少女」をモチーフに、青桃流に咀嚼しなおし、ちょっぴりか?かなりか?辛辣に仕立て直した意欲作に仕上げるつもりなのですが…いくら想像するのが作家の仕事とはいえ、凍える描写を書きたくても、こう毎日暑くてうだっているのでは、凍えるどころのさわぎではなくて。これってやっぱり地球温暖化の影響ですかね~青桃にとっても、とっても死活問題です!な~んてちょっぴりか?かなりか?大げさに独り騒いでおるしだいです。
こういう時季には、やはりお決まりのあれですね、怪談。今一つ怖くはありませんが、青桃もこの間いわゆる“それ”に遭遇しました。取り壊し間近のとある旧い商工会館にて、「出る」と噂の5階。そこにはオフィスもテナントも一切入っていないのですが。閉館間際の午後10時前、ミーティングを終え、6階にて下りのエレベータに乗り込もうとした際のこと。ちょうど5,6人乗り込んだところで、閉扉ボタンを押さないのに、突然扉が閉まりだし同僚が挟まれかけました。それでもお構いなく扉は勢いよく閉まり、どこの階のボタンも押さないのにエレベータは勝手に下りだしたのです。「はよ1階のボタン押し~!」と誰かが叫びましたが、時すでに遅し、エレベータは5階で停まりチ~ンと扉が開きました。もちろん“人”はいません。が、明らかに“何か”が乗り込んできたのはわかりました。でもあまり怖い類のものではありません。というのも、青桃はいわゆる霊感という特殊な感覚はあいにく持ち合わせておりません。せいぜい生きている人間の残像みたいなものを微妙に捉えられる程度のものです。仮にそんな恐ろしいものに出会ったとしても、到底感知できないのであります。エレベータが1階に到着するまでの時間の長いことといったら…皆押し黙っていました。青桃だけが「いますね~」と小声で繰り返していました。1階で扉が開くや否や、皆一目散に駐車場へと去ってしまいました。青桃も早く駐輪場へ行きたかったのですが、何故だか上司がその場で立ち止まっているのです。青桃は思わず「その… 憑いていますよ、通り道ですから」と上司の背中を払ってしまいました。怖いものでなくても、やはり気持ち悪いものは気持ち悪い。おそらく“それ”は建物の取り壊しを知り、慌てて出て行くことになったのでしょう。その後、上司と話をした際「そういうあんたが怖い気がする。やっぱり君はちとかわっとるな~」とのことでした。
科学や合理主義の行き届いた世の中では、“そんなもの”は存在しない、というのが主流、王道、常識でしょう。青桃もずっと我が身にそう言い聞かせてきました。“何か”感じても、錯覚に違いない、“そんなもの”を信じるるなんて無知蒙昧だと自己否定してきました。でもやはりいるものはいるし、感じるものは感じるのです。最近になってそういう自分を素直に受け入れられるようになり、却って気楽になりました。
兎角この世で本当に怖いものといえば、生きている人間の「人で無し」をおいては無いでしょう。いつか青桃も、生きている人間の鬼をモチーフにした「怪談」を描いてみたいと、秘かにアイデアを温めております。
|